[ LandStyle Menu ] 沈下修正工事
沈下修正工事とは、家の傾きを直すことです。
・家の基礎、外壁、土間等にクラック(びひ)がある。
・クロスのよじれや、ひび割れが有る。
・窓、ふすま、ドア等が閉まりにくい(鍵が掛かりにくい)。
・床に傾斜を感じる。
などの原因は家の基礎をささえている地盤が問題かもしれません。
家の傾きを直すには、
1)原因を調べ →2)傾きのレベルを計り →3)地盤状況を把握し →4)傾きを直すという
手順が必要です。下記では詳細な流れを紹介していきます。
現在有る資料(図面、調査データ等)を出来るだけ集める
現地にて、現状の確認(目視で出来る範囲:写真で記録)
[敷地配置条件の確認]
・周辺環境の確認(山、川、住宅地、田畑等の立地条件)
・建物の周りの状態(調査、工事が出来るかどうか)
・擁壁(L型、間知ブロック、石積み等)の有無(有る場合は概略構造、異常の有無等の確認)
・隣地建物等との位置関係
・土地の履歴(造成地盤、自然地盤等)
[建物の確認]
・外壁、基礎、土間等のクラックの確認
・窓、戸等の開閉確認
・クロスのよじれ、ひび割れの確認
調査方法、内容の検討
レベル調査
・水盛管やオートレベル等での室内外のレベル確認
(主たる柱付近の床レベル、及び外周部基礎天端付近のレベル測定)
クラック調査-状況に応じて、以下のような調査を行う
・クラックの箇所数及び長さ、幅を確認
・鉄筋センサーで鉄筋の有無、位置、被りを確認
・シュミットハンマーでコンクリート強度の確認
・コアを抜いて一軸圧縮強度試験により、コンクリート強度の確認
・クロスのよじれ、ひび割れの確認
スウェーデン式サウンディング試験(SS試験) (試験費用は3〜5万円程度)
・外周4〜5ヶ所程度調査(礫当り等で支持層が確認できない場合はポイントを増やして確認)
・沈下量の多い方は重点的に調査
・擁壁等が有る場合は背面、底板等の確認
ボーリング調査 (調査費用は15〜30万円程度(標準貫入試験のみ)
・SS試験より厳密に、土質や支持層を確認する場合に実施
比較的浅い(基礎下端から1m程度まで)所に支持層が有る場合に有効
支持層が確認できれば再沈下の心配はない
短所としては、将来的に沈下の危険性がある地盤での施工は再沈下の恐れがある
・基礎下を掘削し耐圧板を設置してその上にジャッキをかけて不同沈下を起こした
建物傾斜の修正を行う
地盤に将来的に沈下の危険性が予想される場合に採用
鋼管杭を支持層までつけるので、再沈下の心配がない
短所としては抜け上がり等が考えられる
アンダーピーニング
・既存建物を反力として、油圧ジャッキで鋼管を支持層まで押込み、その鋼管杭を利用して不同沈 下を起こした建物傾斜の修正を行う
・人力施工なので、掘削スペースがあれば、施工可能
ボーリング建込み
・アンダーピーニングでは押込めない礫や中間層を削孔し支持層まで鋼管杭を建込み、
I型鋼等で地中梁の様な形を作り、それを利用して不同沈下を起こした建物傾斜の修正を行う
・ボーリングマシンで削孔するので、確実に支持層まで鋼管を建込める
杭打ち機
・ボーリング建て込みと基本的には同じ工法、鋼管杭を杭打ち機で打設
・杭打ち機が大きいので作業スペースが広く必要
エアーハンマー
・鋼管杭をエアーハンマーで打設しH型鋼ブラケットで不同沈下を起こした建物傾斜の修正を行う
・狭い場所での施工が可能
・反力が要らないので基礎がなくても施工が可能
・施工性が悪い(騒音が高い、あまりN値の高い地盤まで打設出来ない等)
レベル修正の工法のひとつで、基礎より上部のみを修正
短所としては、将来的に沈下の危険性がある地盤での施工は再沈下の恐れがある
・基礎を斫り鉄板を差込みジャッキをかけて土台から上部だけで不同沈下を起こした建物傾斜の修正を行う
レベル修正の工法のひとつに(主に、束建ちの家の修正で用いられる)
短所としては、生活したままの施工は困難(床や壁を撤去する場合が多い為)
・C型鋼で柱を固定し、C型鋼にジャッキをかけて不同沈下を起こした建物傾斜の修正を行う